DX推進を掲げてシステム導入を進めたものの、期待したような成果やビジネスモデルの変革につながっていないとお悩みの経営層や推進担当者の方は多いのではないでしょうか。実際、何らかのDXに取り組む日本企業が7割を超える一方で、本質的な成果を実感できている企業は2割弱にとどまっているのが実態です。その背景には、老朽化したレガシーシステムや専門人材不足に加え、部門ごとの個別最適(サイロ化)によって組織やデータが分断されている状態が関係しています。そこで本記事では、日本企業が抱えるDX推進を阻む4つの壁と、部門間の分断を乗り越えて成果を出すための実行ステップを解説します。さらに、フロントからバックオフィスまでを一気通貫でつなぐ統合データ基盤の重要性についても取り上げます。自社のDXを部分最適から全社最適へとシフトさせ、持続的な成長を実現するためのヒントとしてお役立てください。 ◆ 無料ホワイトペーパー ◆ 『部門別課題チェックシート付き、全社横断で進めるDX』をダウンロードするデジタルトランスフォーメーション(DX)が急務とされる背景まずはじめに、日本企業においてなぜDX推進が急務とされているのか、その背景を整理していきます。DXの定義DX(Digital Transformation)とは、企業がデジタル技術とデータを活用し、顧客や社会のニーズを起点として、提供する製品・サービスやビジネスモデルを変革することを指します。単に従来のアナログな業務をITに置き換えて効率化するような、部分的なIT活用にとどまるものではありません。業務プロセスや社内組織、さらには企業文化や風土まで含めて変革し、市場における持続的な競争上の優位性を確立することを目的としています。 DXの推進が日本企業において急務とされる社会的背景日本企業においてDXの推進が強く求められている背景には、いくつかの課題や市場環境の変化があります。・「2025年の崖」問題とIT予算の硬直化 日本企業の多くが長年使い続けてきたレガシーシステムは、デジタルシフトを阻害する大きな要因となります。実際、日本企業の53.5%が既存のレガシーシステムをDX推進の足かせと感じています(※IPA「DX白書2023」より)。 また、レガシーシステムの維持・保守業務といった守りのシステム維持に、企業のIT予算の約80%が割かれています。その結果、新しいイノベーション創出やDX投資といった攻めのITへ予算や人的リソースを配分できない状況が生じています。 経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」では、これらの複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムが刷新されないまま放置された場合、2025年以降、日本全体で年間最大12兆円の経済損失が発生する可能性があると指摘されていました。現在、まさに多くの企業がこの壁に直面しています。・IT専門人材の不足とITベンダー依存の構造日本企業におけるIT人材不足も深刻です。企業の85.5%がIT人材について「不足している」と回答しています(※IPA「DX動向2026」より)。 さらに、米国ではIT専門人材の65.4%が事業会社(ユーザー企業)に所属しているのに対し、日本ではIT人材の73.6%がIT関連企業(ITベンダー)に偏在しているという特徴があります(※IPA「DX白書2023」より)。 この構造により、日本企業はITシステムの開発や改修を外部のITベンダーへ依存せざるを得ず、自社内にデジタル技術やプロセス設計のノウハウが蓄積されにくくなり、現場に自律的な変革思考が育ちにくい状況を招いています。・激化する市場環境変化への対応クラウドファーストの浸透や生成AIの急速な普及、顧客ニーズの多様化など、市場変化のスピードは年々加速しています。古いレガシーシステムを使い続け、各部門でデータが分断された状態のままでは、意思決定の遅れやサービスの改修スピード低下につながり、市場における競争力を損なうリスクが高まります。なぜ多くの企業でDXは成果につながらないのか?経済産業省がDXを提唱して以降、国内の多くの企業がデジタル活用に向けた取り組みを進めてきました。しかし、現場でのツール導入は進んでいるものの、経営成果やビジネスモデルの変革にまで結びついている企業は決して多くありません。多くの企業でDXが途中で停滞してしまう背景には何があるのでしょうか。DXの取り組み状況における統計的事実現在、何らかの形でDXに取り組んでいる日本企業の割合は75.7%にのぼり、大部分の企業が何らかの施策を推進しています(※IPA「DX動向2024」より)。 業務データの単純なデジタル化といったデジタイゼーションや、部門ごとの限定的な業務効率化を図るデジタライゼーションの段階では、約8割の企業が一定の成果を感じています。紙の帳票のデータ化や、営業部門内での商談管理ツールの導入といった局所的な取り組みは、比較的スムーズに進む傾向にあります。しかし、DXが目指すべきビジネスモデルの変革や、新たな企業価値の創出というレベルまで到達し、十分な成果を得られていると回答した日本企業はわずか18.9%にとどまっています(※IPA「DX白書2023」より)。過去数年間の調査データを辿ってもこの数値は伸び悩んでおり、多くの企業が部門内の効率化という壁を越えられずにいる実態が浮かび上がります。DX推進を阻む、4つの壁全社的な変革に至るDXが進まない要因は、単一の理由によるものではありません。「システム」「予算・人材」「構造」「組織」という4つの障壁が、相互に影響を及ぼし合いながらDXの推進を阻んでいます。1. システムの壁:既存システムの老朽化・複雑化 日本企業の過半数にあたる53.5%が、既存の老朽化したレガシーシステムをDX推進上の足かせとして挙げています(※IPA「DX白書2023」より)。 長年にわたる個別改修の積み重ねによりシステムが複雑化・ブラックボックス化しているため、最新のクラウド技術や、新たに導入した他システムとのスムーズなデータ連携が困難になっています。全社横断でデータを統合して活用しようとしても、既存システムの硬直性がこれを物理的に遮断する要因となっています。2. 予算・人材の壁:IT予算の硬直化と専門人員不足 日本企業におけるIT関連予算全体の約8割が既存システムの維持・保守業務に充てられているのが現状です。また、DXを推進する人材の量について、日本企業の85.5%が不足していると回答しています(※IPA「DX動向2024」より)。 複雑化した既存システムを維持するだけでIT予算の大部分とIT要員が固定化されてしまうため、新たなビジネスモデルの変革や全社最適なデータプラットフォームへの移行といった攻めのIT投資へ、資金および人的リソースを十分に配分できない状況が発生しています。3. 構造の壁:外部ITベンダーへの依存 IT専門人材の所属割合において、米国では65.4%が事業会社に所属しているのに対し、日本では73.6%がIT関連企業(ITベンダー)に所属しているという偏在構造があります(※IPA「DX白書2023」より)。 自社内にITやシステム設計の専門的な知見を持つ人材が不足しているため、DX関連の開発や改修のプロセス全体を外部のITベンダーへ依存せざるを得ません。この結果、システム変更を行うたびに外部へコストと期間を要するだけでなく、自社内にデジタル技術の活用ノウハウやプロセス改革の知見が蓄積されず、現場に自律的な変革マインドが育ちにくい環境を生み出しています。4. 組織の壁:業務プロセス見直しに対する現場の抵抗と協調不足 システムの刷新や統合データ基盤の構築には、従来の業務プロセスの見直しや標準化が不可欠です。しかし、経営層・IT部門・業務現場部門の3者が密に協調・連携できている日本企業は、わずか40.4%にとどまっています(※IPA「DX白書2023」より)。 3者の連携不足により、全社最適なシステム標準化のために従来の業務フローを変更しようとすると、自部門のやり方や都合を優先したい現場部門からの抵抗が発生します。これに対する合意形成を推進する体制や対話の場が不足しているため、要件定義が進まずにプロジェクトが停滞するケースも少なくありません。DX成功を阻む真のボトルネックは組織の分断DXの遅れや失敗の直接的な要因として、老朽化や複雑化が進んだレガシーシステムが挙げられるケースは少なくありません。しかし、システムを刷新・統合できない根本的な原因は、技術的な問題そのものだけではないといえます。システム刷新やレガシーからの脱却を実現するには、従来の部門ごとに閉じた業務プロセスや役割分担を、全社視点で整えていく作業が不可欠です。しかし現実には、経営層・IT部門・業務現場部門の3者がDX方針や業務プロセスの見直しに向けて密にコミュニケーションを取り、協調できている日本企業は40.4%にとどまっています(※IPA「DX白書2023」より)。対話が不足している状態では、システム変更に伴う業務フローの変更に対して現場部門から強い反発が起きやすく、部門間の利害調整も進みません。結果として、全社最適なシステムの標準化に向けた合意形成が停滞し、老朽化したシステムがそのまま温存されるという悪循環が生じています。調査データが示す個別最適化の課題 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX白書2025」によると、業務プロセスの最適化に対するアプローチにおいて、日本と諸外国では差が見られます。米国やドイツでは多くの企業が全社最適の視点でシステムやプロセスの再設計に取り組んでいるのに対し、日本においては部門ごとに個別最適で進めている企業の割合が高く、組織の縦割り(サイロ化)が浮き彫りになっています。さらにこの取り組み姿勢は、DXの成果の有無と強く関係しています。・DXの成果を実感できていない企業:部門ごとの個別最適にとどまっている割合が62.8%に達し、全社最適に取り組みができている企業は25.1%にとどまります。 ・DXの十分な成果を上げている企業:個別最適にとどまる割合は44.2%と低く、全社最適の視点で取り組んでいる割合が51.9%と半数を超えています。これらの統計が示す通り、部門ごとにIT導入を進める個別最適化こそが、成果を阻む大きな要因になっているといえます。全社最適の視点へシフトし、組織の分断を埋めていく姿勢が求められます。※ホワイトペーパー『部門別課題チェックシート付き、全社横断で進めるDX』から抜粋各部門が抱える立場と課題 各部門が自らの役割における責任や目的を果たそうとするあまり、全社的な視点が抜け落ちて対話ですれ違いが発生してしまうケースはめずらしくありません。社内でDX推進に携わる主要な5部門が抱える実態は以下の通りです。・経営層 全社データを迅速に活用して市場変化に合わせた判断を行いたいと考えています。老朽化したシステムの維持費を抑え、新規事業や成長領域といった攻めのIT投資へ予算を回したいという思いもあります。しかし、現場の複雑な業務実態やシステムの詳細まで把握しきれていないため、リスクを伴う刷新の判断に踏み切れずにいるのが現状です。・DX推進部門 部門を横断したデータ一元管理基盤を整備し、属人化した現場の業務プロセスを共通化して全社最適を図りたいと考えています。しかし、システム導入にあたり各部門から個別の要望や従来の例外処理を残したいといった要件がバラバラに出され、調整に多大な時間と労力を費やしています。・情報システム(IT)部門 複雑化したレガシーシステムを刷新し、柔軟なクラウドプラットフォームや統合データ基盤へ移行したいと考えています。しかし、日常のサーバー保守やトラブル対応、法改正への対応に追われ、リソースが圧迫されています。長年の継ぎ足し開発によりシステムが属人化しており、容易なデータ連携が難しくなっています。・管理部門(バックオフィス) FAXや紙による手作業、データの再入力をなくし、他システムとの連携によって定型業務を減らしたいと考えています。しかし、毎日の請求、受注処理、仕入れ、在庫管理などの業務が密に詰まっており、改善に割く時間を確保できません。現行の業務フローを止めるわけにはいかず、現状維持を優先せざるを得ない状況です。・営業部門(フロントオフィス) 事務作業から解放され、顧客への提案や交渉といったコア業務に集中したいと考えています。しかし、SFAやCRMを導入しても基幹システムとつながっていないため、複数のシステムへ同じ情報を二重入力する手間が発生しています。納期や在庫の問い合わせが入るたび、バックオフィスや倉庫へ個別に確認を取る必要があります。組織の分断が生み出す負のループ各部門で抱える悩みは決して各部門で閉じているわけではありません。業務とデータがつながらないことで、企業全体を巻き込む負の連鎖(ループ)を引き起こしています。負のループ①1.【情シス部門】 システムの老朽化・複雑化により、他システムとの連携が進まない2.【DX推進部門】 システム毎にデータ形式や管理方法が異なり、前者統合データ基盤が作れない3.【営業部門】 SFAを導入しても見積や在庫確認などが別システムのため、手入力が多発する4.【管理部門】 届いたデータを基幹システムへ再入力やデータの突合確認する手作業で工数が圧迫される5.【経営層】 データが散在して集計に時間がかかり、全社の最新状況を即座に把握できず、意思決定が遅れる負のループ②1.【情シス部門】 システム改修に時間とコストがかかり、現場からの変更依頼に即座に応えられない2.【管理部門】 システムで対応できない業務を、担当者の経験とExcel手作業で補い属人化している3.【営業部門】 在庫や納期の照会に個別確認が必要となり、顧客への回答・提案スピードが低下する4.【DX推進部門】 現場ごとに独自運用が進み、全体像の把握や全社変革に着手できない5.【経営層】 市場環境の変化にITや組織が追従できず、競合に対する優勢性や成長スピードを喪失このように、単なるシステムの老朽化だけでなく、部門間の分断とそれに伴うデータの途切れこそが、全社的なDXの成果を阻む課題といえます。失敗を避けるDXの進め方!全社最適な6つの実行ステップDXの取り組みにおいて、途中でプロジェクトが立ち消えになったり、期待していたような効果が得られなかったりするケースは少なくありません。ここでは、失敗を回避し、全社最適の変革を実現するための6つの実行ステップを順番に解説します。ステップ1:ビジョンと目的の明確化(経営トップのコミットメント) システム導入の検討から入るのではなく、デジタル技術で自社をどう変革するかというビジョンと目的の定義が重要です。目的が曖昧なまま始まるとシステム導入自体がゴールになり、各部門が目の前の作業だけを楽にする個別最適化に走ってしまいます。また、業務プロセスの刷新には現場の抵抗が付き物です。部門間の利害調整を乗り越えて全社合意を形成するためにも、経営トップ自らが強い意志を持ってメッセージを発信することが欠かせません。ステップ2:DX推進体制の構築(組織横断チームの結成) X推進やシステムの刷新においては、複数の部門をまたぐデータ連携と業務プロセスの標準化が不可欠となります。そのため、DXの推進体制を構築する際は、情報システム部門や特定の現場部門だけに任せるのではなく、経営企画、IT部門、各業務現場の主要な担当者を網羅した組織横断型の体制を立ち上げることが大切です。あわせて、継続的な開発や内製化を支援するCoE(Center of Excellence)と呼ばれる推進組織を整えることも有効です。※テラスカイではCoEを組織するご支援も行っております。詳しくはこちらをご覧ください。ステップ3:全社横断での現状把握と業務課題の棚卸し システム選定を開始する前の必須プロセスとして、商談獲得から受注、販売、購買、在庫、出荷、アフターサービスに至る一連の業務の全体像を整理することが挙げられます。現状の業務フローのままツールだけを置き換えても、プロセスの無駄やデータ分断は解消されません。全社横断で関係者が集まり、部門間でデータが途切れている箇所や、手作業や重複入力が発生しているプロセスを可視化して共有していきます。こうした課題整理には、「部門別業務課題チェックシート」の活用が有効です。他部門の困りごとを客観的に理解し合えるため、スムーズな対話の土台を作ることができます。ステップ4:全社最適なロードマップの策定と標準化方針の決定 企業の資金や人員などのリソースには限界があるため、可視化された業務課題を基に、どの領域からどのような順序でシステム刷新やデータ連携を進めるかという、中長期のDXロードマップを策定します。同時に、システムに業務を合わせる(Fit to Standard)か、自社独自の強みとして個別に開発するかという、システムの標準化方針を全社で合意しておくことも重要です。必要があります。ステップ5:統合データプラットフォームの選定とスモールスタート 営業からバックオフィスまでのデータをスムーズに結合し、一元管理できる柔軟なクラウド型の統合データ基盤を選定する企業が増えています。導入にあたっては、最初からすべての部門や拠点を一度に変更するのではなく、対象を絞ったテスト導入から始め、検証と改善を繰り返しながら段階的に広げていくアプローチが推奨されます。部門間でデータが散在する課題を根本から解決するには、フロントとバックオフィスのデータが同一プラットフォーム上でリアルタイムに同期する仕組みが理想的です。ステップ6:実行・評価・全社展開と持続的なシステム改修体制(内製化)の確立 テスト稼働したシステムや業務プロセスの状況を評価した上で、他部門や他拠点への本格展開を進めます。これと並行して、稼働後も現場の要望や市場環境の変化に合わせてスピーディーにシステムを改修していけるよう、CoEなどを中心とした持続的な運用・改修体制を社内に整えていきます。DXはシステムを導入して終わりではなく、稼働後もビジネスの変化や使い勝手に合わせてシステムを継続的に改善し続けることが重要です。全社最適なDXを実現する「統合データ基盤」の役割と解決策部門ごとに発生しているデータの二重入力や情報の散在、現場と経営の間のタイムラグといった課題の背景には、個々のシステム導入や部門ごとの改善だけでは解決できない2つの問題が潜んでいます。1つ目は、データの分断(サイロ化)です。営業管理、受発注、在庫、出荷、会計などのシステムが別個のデータベースで稼働し、互いに自動連携していない状態を指します。データが散在することで、ある部門で入力した情報を他部門が別のシステムへ手動で再入力する負担が生じるほか、データの転記に伴う情報の遅延が避けられず、業務プロセスの流れを妨げてしまいます。2つ目は、システムの硬直化です。長年運用されてきた既存システムが、業務の追加に合わせた部分的な改修の繰り返しによって複雑化・ブラックボックス化している状態です。システムの構造が複雑すぎるために新たなクラウドサービスや他システムとのデータ連携が難しく、法改正やビジネスモデルの変更が生じた際にも、改修に多大な費用と期間がかかり市場の変化に対応しにくくなります。課題を根本から解消する「統合データ基盤」の考え方これらの課題を解消するためには、部分最適の改善から抜け出し、フロントオフィスからバックオフィスに至るまでのすべての業務プロセスとデータを、単一の共通プラットフォーム上で一気通貫につなぐ仕組みが必要です。すべての部門が同一のデータベースを参照・編集する環境を構築することで、部門間でデータが分断されていた状態を取り払い、データの一元管理とリアルタイムな共有を可能にします。「Salesforce × Fujitsu GLOVIA OM」による解決策 顧客情報管理のクラウドプラットフォームであるSalesforceと、その上で動作する基幹業務ソリューションFujitsu GLOVIA OMを組み合わせることで、強固な統合データ基盤を構築できます。この組み合わせには、以下の4つの特長があります。1:フロントからバックオフィスまで業務プロセスをシームレスに連携 営業がSalesforce上で商談を成立させたデータが、手動での再入力や転記を介さずに、同一プラットフォーム上で直接GLOVIA OMの受注・販売・出荷・在庫管理データへ自動的に変換されます。フロントとバックオフィスの業務が連続した流れとして処理されるため、データの不一致や転記にかかる工数を抑えられます。2:顧客情報を起点にすべての業務データを一元管理 マーケティングアプローチから商談履歴、契約内容、現在の出荷ステータス、導入後のサポート履歴に至るまでのデータが、同一の顧客IDに紐づいて集約されます。情報が散在しないためデータの信頼性が保たれ、将来的なデータ分析を行うための土台を整えられます。3:リアルタイムな情報共有により迅速な意思決定と顧客対応を支援 全社・全拠点のデータが単一のクラウドベースで常に即時更新されます。経営層はダッシュボードを通じて最新の全社KPIや在庫状況をすぐに把握して判断に活かすことができ、営業担当者は外出先からでもリアルタイムな在庫数や出荷スケジュールを確認して、顧客へその場で回答できるようになります。4:標準機能を活用したスピーディな導入と柔軟な拡張(Fit to Standard) 見積や受注、購買、在庫といった標準的な業務については、GLOVIA OMが標準搭載している機能に業務側を合わせることで、短期間での立ち上げを実現します。一方で自社独自の強みとなる領域については、Salesforceのローコード開発機能などを活用し、柔軟に対応・拡張していくことが可能です。統合データ基盤の構築による成功事例:株式会社日本能率協会マネジメントセンター様 統合データ基盤の整備によって組織の課題を解決した事例として、株式会社日本能率協会マネジメントセンター様の取り組みが挙げられます。・導入前の課題 同社では20年以上稼働していたシステムを使い続け、複雑化・老朽化した既存の基幹システムを抱えていました。また、取り扱う複数の商材ごとに別々のシステムを構築・運用していたため、業務プロセス全体に非効率が生じていました。営業管理としてSalesforceを部分導入してはいたものの、バックオフィスシステム等と連携していなかったため、顧客情報や取引データが各所に散在し、顧客の全体像を捉えきれない状態が続いていました。・実施されたアプローチ こうした状況から脱却するため、20年以上使い続けたレガシーシステムを廃棄し、Salesforceプラットフォーム上で稼働するGLOVIA OMへ完全移行しました。マーケティング、営業管理、販売管理・業務管理、データ分析を単一のクラウドプラットフォームに統合し、顧客データおよび販売管理データの一元化を推進しました。体制面では、経営陣のリーダーシップ、中間管理職のマネジメント、現場部門の巻き込みを連動させたミドル・アップ・ダウン推進体制を構築し、全部門が当事者意識を持ってプロジェクトを進めました。さらに、変化に即応できる体制を確保するため、社内にCoE(Center of Excellence)組織を確立し、自社で継続開発・運用保守ができる内製化体制を整えました。・導入効果 システムと体制の変革により、顧客の動きが全社でリアルタイムに把握可能となり、顧客起点でのサービス提案体制が整いました。また、会計システムとのシームレスなデータ連携を構築したことで、GLOVIA OMでの売上実績データが自動的に仕訳・請求データへ変換されるようになり、手作業による二重入力・多重入力をなくすことに成功しました。さらに、従来は外部ベンダーへの依頼から適用までに数日から数週間を要していたシステムの追加開発・改修作業が、内製CoE体制とプラットフォームの標準拡張性を活かすことで、短期間で変更対応できる体制へと変わりました。日々の業務改善や市場の変化に即座に追従できる、柔軟な経営基盤を獲得した事例と言えます。■ より詳しい株式会社日本能率協会マネジメントセンター様の取り組み内容はこちら成果につながるDXを加速させる初めの一歩ツールやシステムの導入から先行させるIT投資は、現場の業務プロセスに適合せず利用が拒まれるか、あるいは現場の個別対応に合わせるためのカスタマイズが大量に発生するリスクをはらんでいます。このような進め方は、結果としてコストの増大やシステムの再度のブラックボックス化を招き、多大な投資が無駄になってしまうことにもつながりかねません。全社最適の重要性や部門間の対話が必要であると理解していても、営業は売上拡大、管理は処理の正確性、IT部門はシステムの安定運用といったように、部門ごとに求められる役割や責任が異なります。そのため、それぞれの立場や主張だけで議論を進めてしまうと、利害の調整が難しくなり、対話が進まないまま推進担当者が孤立してしまうケースが見受けられます。こうした対立やすれ違いを避け、共通の視点で自社の課題を整えるための手段として当社では、部門別業務課題チェックシートをご用意しています。[資料ダウンロード] 『部門別課題チェックシート付き| 全社横断で進めるDX』本シートには、経営、推進、IT、管理、営業の5つの部門が実務で抱えがちな悩みが、選択式の項目として整理されています。他社でも見られる共通の課題として自社の現状を客観的に確認することで、他部門への批判を挟まずに、データの分断箇所や業務上の負担を社内全体で共有しやすくなります。大規模なシステム投資における失敗や手戻りを防ぐために、システム選定を一度立ち止め、各部門の担当者がチェックシートを活用して自社の現状を共有することは、非常に効果的な予防策となります。まずは自社内の対話の土台づくりとして、この部門別業務課題チェックシートを無料でダウンロードし、現状の把握や課題の整理にお役立てください。